銅と銅合金は最も汎用性のある工学的材質の一つです。
強度・導電性・耐食性・加工性・延性の様な特性の組み合わせにより、銅は広い範囲への応用が可能です。
これら銅の特性は、組成 や製造方法のバリエーションによってさらに増やす事ができます。
- 電気伝導率:銅は工業用の金属としては最も高い伝導率を保持しています。伝導性を損なうことなく軟化抵抗や強度、その他の性質を高めるために銀や他の元素を付加することもあります。
- 熱伝導率:この性質は電気伝導率に類似しています。銅の合金は、他の物質を混ぜるほどにその伝導率を低下させますが、代わりに優れた耐食性を持たせ、電気伝導性を要する用途に適用する事も可能です。
- 色と外観:銅合金の多くは、物体の置かれた環境に依存する場合もありますが、それぞれ独特の色を保持しています。多くの合金において、例え耐食性が低いとしても、表面の状態の維持と調製は容易です。合金の多くは、そのままの色もしくは着色した後、金属の表面を覆うメッキの用途で使用されます。合金は特定の色を持ち、銅のサーモンピンクから黄色、金、緑、ダークブロンズへと風化条件に合わせてその色を変化させます。外気に曝される事で表面の色は緑や銅に変化し、変色前の合金は様々な形式に利用可能です。
- 耐食性:全てのの銅合金には、新鮮な水と水蒸気による腐食に対する抵抗力があります。ほとんどの農村、海洋および産業用排気中でもまた、銅合金は腐食に対して耐性を持ちます。銅は生理食塩水、土壌、非酸化性ミネラル、有機酸と苛性溶液に対して耐性を持ち、一方、ほとんどのアンモニア、ハロゲン、硫化物、硝酸のようなアンモニアイオンと酸化性の酸を含む溶液に対しては耐性を持ちません。また銅合金は、無機酸に対して耐性を持ちません。銅合金の耐食性は、材料表面上の付着膜の形成に依存します。これらの膜は比較的腐食に強く、さらなる攻撃から母材を保護します。
- 焼き鈍しによる延性の復元:特定の焼き鈍し処理もしくは溶接やロウ付けの手順を通した付随的な焼き鈍しによって延性は復元できる場合があります。
- 硬化/強化:銅を強化(硬化)するには4つの一般的な方法があります。ひずみ硬化、固溶体硬化、析出硬化と分散強化です。5つ目にはスピノーダル分解と呼ばれる、現在商業的に使用されている、特定の銅・ニッケル・スズを合金として混ぜ合わせる処理があります。これら強化方法の組み合わせは、より高い力学的特性を高銅合の中に生み出します。
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