相互参照表

Total Materiaでは皆様に世界中の合金に関するより良い、より正確な相互参照(クロスレファレンス)機能を提供するため同等材料と類似材料のそれぞれのカテゴリーを取り入れました。この世界規模のユニークな機能は材料の類似度やデータの出処を表示することによりより多くの参照対象材料を見る事ができようになります。

購読者の方は材料の相互参照機能の概念を全般的に正しく理解して頂くことが大切です。この参照機能は複雑ですので限度があることを御理解下さい。

世界中の金属同等品は化学成分、機械的特性をベースにまとめられております。相互参照表はSDO規格開発機関の推薦によるものです。Total Materiaで使われる相互参照表項目の主たる情報源もSDO規格開発機関の推薦によるものですが多くの場合には特定の合金のグループや国に関し標準化機関の推薦のない項目のものもあります。

従ってSDO規格開発機関の推薦対象にならない項目に関してはTotal Materiaデータベースは別のソース、潜在的な類似度及び特殊なアルゴリズムにて構成され下記項目のように特徴的なグループの結果を表示致します。

全ての結果

全ての材料を表示します。

同質材料

同質性のタブにはSDO規格開発機関が同質と定義した材料が含まれます。

本質的には”同質性”なる用語は同じ材料とは異なる名称を指します。

  • 欧州規格とDIN規格における同じ材料に使われる二つの名称、英数字および数字;例えば欧州統一規格のステンレス鋼 X39Cr13 は数字名称1.4031に同質です。
  • 標準化機関SDOの取り入れた材料で変更の無いもの。 例えばドイツDIN規格及びイタリアUNI に定義されるX 39 Cr 13は欧州統一規格により定義されるX 39 Cr 13に同質です。その理由とはドイツとイタリアの規格開発機関が共通の欧州規格を引き継いだ為であります。同様なことが米国ASME材料SA-180 F10に当てはまります。この材料はASTM合金A-182F10から引き継がれている材料です。
  • ある材料が化学成分の変更はなく他の材料に入れ替わる場合;例えば米国UNS N06017がN06985に代わりました。

公式

公式 とはもともとSDO規格開発機関から発行されている規格書、公式な参考文献で推薦された同等品のことであります。例えば、インド規格IS 9175によるとインドのグレード番号30C8はSAE 1030と同等、35C8はDIN c35及びAISI 1035と同等。中国規格GB 4239はでは中国1Cr17Mn6Ni5Nは日本のSUS201, 米国AISI 201,UNS S20100に同等である定義されております。

これらの情報源は一般的には信頼できるものですが曖昧なデータを含む可能性が常にあります。したがってさらに重要な事は、公式に推薦された項目が相互参照機能の限界を排除することができません。

同一性のタブにて表示される材料名は公式タブには表示されません。

成分100%

成分100%のタブとは同質な化学成分100%を有するも、標準化機関SDOによる公式な同等品と明言されていない合金を含みます。したがって同質のタブ、公式のタブのいづれのタグの中ではこれらの合金を探すことはできません。

化学成分が同質性のものであればそれらの材料は互換性のある候補となります。ただし機械的特性、形状、熱処理項目に関しては大きく異なる場合がありますので注意が必要です。相互参照機能の規則や限度もこのグループに適用されます。

その他のソース

相互参照の情報は製造業者カタログ、書籍、パンフレット、インターネット上で公開されている分析結果などの情報を元にしており、他のソースにタブの中で表示されます。固有名称で表記されるほとんどすべての材料もこのカテゴリーに収められており、UNS規格に列挙されたものもほとんど例外なく収められております。

このような情報源からの情報は通常は正しいものですが信頼性のレベルは SDO規格開発機関によるものよりも低いものです。それ故に同等品の化学成分や物性などをより慎重に分析頂くことが必要です。

同質、公式、成分100%及び間接的な同等品のタブの中で表示された材料はこのタブでは表示されません。

間接的同等品

間接的な同等材料はSDO規格開発機関により定義された同等品ですが一時的な分類方法によります。もしある材料Bが材料Aに対しSDOによる同等品とするならば材料Cは別のSDOにより材料Bへの同等品として推薦されます。したがって材料Aが材料Cに同等となります。

例えば、ある情報ではSAE鋼5115が欧州規格1.8963に同等で有るといい、別の情報ではSAE 5115は中国規格GB 15Crに同等であるとすれば潜在的な同等さは15Crが1.8963に等しいということになります。

本来、間接的な同等品のデータの精度さが若干劣るため、比較する合金の化学成分や物性をより慎重に分析されることが必要です。その他に相互参照機能一般原則や限界も考慮に入れて頂くことが必要です。

これまでの3つのタブ(同質性、公式、成分100%)に表示される材料はこのタブには表示されません。

SmartCross

SmartCrossはTotal Materia固有の相互参照機のツールでファジィー集合、冶金学専門的知識、統計学応用をベースにしグローバルな相互参照を生みだします。

SmartCrossは精巧なアルゴリズムを駆使し化学成分や冶金学グループに従い17.5万種類以上の全データベースから類似の金属材料を検索します。この機能は古典的なこれまでの相互参照では到底及ぶことのできないもので結果リストの範囲は他に比べてより広範です。類似度は1 から0 までのレンジで与えられますが表示のみとなります。比較される合金の化学成分、物性の解析は慎重に行われねばなりません。特に類似度の低い項目に; 0.8以下のレンジにある材料等へは必要です。

このタブは相互参照ウィンドウの中では他の全ての項目と完全に独立しております。